レーシックとは
この記事の監修
東京歯科大学水道橋病院眼科 眼科教授
ビッセン宮島弘子先生
ドイツおよび日本における医学博士号を取得。白内障、屈折矯正手術分野では、国内のみならず国際的に高い評価を得ており、数々の取材や受賞を受けている。多数の国内外の講演に加え、学会理事長や国際眼科ジャーナルの編集長も務めている。
http://www.sh-eye.tdc.ac.jp/about/profile/
レーシックとは
レーシックとは、角膜屈折矯正手術の一種です。
目の表面の角膜にエキシマレーザーと呼ばれるレーザーを照射して、角膜のカーブの形状を調整することで、屈折の角度を変え網膜上で焦点が合うように矯正する手術です。
角膜の構造
角膜は直径11~12mm、厚さ約500~560μm(日本人の平均)の透明の組織で、角膜上皮層、ボーマン膜、角膜実質層、デスメ膜、角膜内皮層の5層構造をしています。
- 角膜上皮層
- 角膜の一番表面にあり、外界からのバリア機能を果たしています。再生能力の高い細胞によって構成されており、約1週間で新しい細胞と入れ替わります。
- ボーマン膜
- 角膜上皮層のすぐ下に位置し、コラーゲン繊維でできた非常に薄い膜です。厚さは10μmほどで、再生能力はありません。
- 角膜実質層
- 角膜の約90%を占め、主にコラーゲンやタンパク質で構成されています。再生能力はほとんどないので、実質層の透明性が損なわれると、視力低下をきたす場合があります。
- デスメ膜
- デスメ膜は薄くて強靭な膜です。実質層とともに角膜の形を維持します。基本的には再生能力があり、傷がついても修復します。
- 角膜内皮層
- 角膜を透明に維持するため、実質層に水分や酸素、栄養分等を供給するポンプの役目をしています。内皮細胞は再生能力がなく、一部の細胞が障害を受けると、隣接する細胞が膨張してカバーするため、一つひとつの細胞自体が大きくなり細胞数は減少していきます。
フラップ作製箇所
エキシマレーザー照射箇所
フラップ作製方法
角膜の表層を薄く削ってフラップ(ふた)を作製する方法には、一方向(水平)でカットする方法(マイクロケラトーム)と、二方向(水平+垂直)でカットする方法(フェムトセカンドレーザー)の2種類があります。
- 一方向(水平)カットによるフラップ作製(マイクロケラトーム)の場合
- 二方向(水平+垂直)カットによるフラップ作製(フェムトセカンドレーザー)の場合
- フラップの厚さ
- 使用する医療機器にもよりますが、一般的なフラップ作製の厚さは以下のとおりです。
フラップを薄く作製することが可能であれば、その分だけ矯正できる幅が広がります。
角膜矯正の度合い
- 角膜を削る量
- 角膜を削る量はその方の目の状態(近視・乱視などの度合い)によって変わってきます。度数の強い方は削る量が多く、度数が低い方は削る量が少なくなります。
- 角膜の厚さ
- レーシックでは、角膜を削ることで近視や乱視などを矯正します。角膜は削って薄くなりすぎると、角膜の強度が弱くなり角膜が突出してしまうことがあります。これを避けるためには、施術後にもある程度の角膜の厚さが必要になります。
術前の検査では、角膜の厚さの計測や角膜の形状を解析し、手術の可否および矯正量の限界を判断します。角膜が薄い人や矯正量が多い人はレーシック手術を受けられない可能性があります。












