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乱視は白内障手術で治るのか

白内障というのは、ピントを合わせるレンズの役割を持つ水晶体が濁り、物が見えにくくなる現象です。

乱視がある方の場合、白内障の手術で乱視も同時に治せるのでしょうか。ここで説明していきます。

白内障手術で乱視も解消するメカニズム

白内障手術とは

白内障の手術とはどのようなものか、おおまかに説明します。

「超音波乳化吸引装置」というものを使って濁った水晶体の中身を吸い取り、残った水晶体の袋(水晶体嚢)のなかに、人工の眼内レンズを移植します。

乱視の解消を同時に行う際、カギとなるのがここで使う眼内レンズです。

乱視を同時に解消する白内障手術

白内障手術には欠かせない眼内レンズですが、乱視を同時に解消させるには、乱視矯正が可能なトーリック眼内レンズを用います。

一般的な乱視である正乱視には軸(方向)があるため、軸を合わせて挿入・固定する必要があります。レンズが回転し軸がズレると矯正効果が落ち、位置調整が必要になる場合があります。

不正乱視がある場合

不正乱視の場合、角膜の状態によっては矯正効果を期待できる場合もありますが、詳細に調べた上で慎重に適応することになります。

 

乱視も矯正する眼内レンズの種類

乱視を矯正するトーリック眼内レンズにもいくつか種類があります。

大きく分けて「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」とがあります。それぞれの特徴を説明します。

 

単焦点眼内レンズの見え方

単焦点眼内レンズは、ある特定の距離1点に焦点が合うレンズです。どの距離をはっきり見たいのかを考えて度数選びをする必要があり、遠くに焦点を合わせれば中間距離や手前は見づらくなり眼鏡が必要になりますし、近くに合わせれば中間距離や遠くを見る際に眼鏡が必要となります。

単焦点眼内レンズはピントを合わせた距離ははっきり見えますが、それ以外の距離を見る際にメガネが必要になるという欠点があります。

しかしメリットもあり、白内障手術で健康保険が適用できますので手術費用が安く抑えられます。健康保険を適用した3割負担の場合、日帰りであれば片目で4万円台〜6万円程度です。また実績も積み上げられており、信頼度の高いレンズといえます。

 

多焦点眼内レンズの見え方

単焦点眼内レンズの限界を克服するために開発されたのが、多焦点眼内レンズです。複数の距離にピントが合うように設計されているため、近くと遠くや遠方から中間と希望に合わせた眼内レンズの選択ができます。

多焦点眼内レンズの種類

多焦点レンズにはいくつかの構造があり、それぞれ違う仕組みで遠くも近くも見えるようになっています。現在ある代表的なものを紹介します。

a.)屈折型レンズ

レンズの中心部と周辺部でそれぞれに遠用、近用の機能を持たせているものです。あるいは、遠くを見る部分と近くを見る部分を交互に数か所配置し、遠くにも近くにもピントが合うように設計されています。

b.)回折型レンズ

レンズに同心円のリング状の溝が複数本刻まれていて、溝のある部分を通ってきた光を近用に、溝のないところを通過した光を遠用に振り分けることで、近くも遠くもはっきりと認識できるしくみです。

回折型のレンズの中でも、同時にピントが合う範囲が広くなるように設計したレンズを焦点深度拡張型レンズといいます。とくに遠方から中間距離までは焦点に連続性があるため、メガネをかける機会を減らすことが期待できるうえ、グレアやハロといった、まぶしさを感じる合併症がほぼ解消されています。

多焦点眼内レンズのメリット・デメリット

このように多焦点眼内レンズにも様々なタイプがあります。日常生活や仕事・趣味など具体的なイメージを医師に伝えたうえでレンズ選びをしましょう。

術後、遠くも近くも見えやすくなるというのが多焦点眼内レンズの最大のメリットですが、夜間、光がにじんで見えることがあります。ハロ、あるいはグレアと呼ばれる現象で、なじめずに単焦点眼内レンズに取り替える人もいます。

費用については健康保険の適応外で高額です。おおむね片目で30万円台〜50万円、あるいはそれ以上といったところです。

しかし多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、厚生労働省の先進医療で適用されるため、認定を受けた医療機関で手術を受ける場合、手術以外の検査等は保険適用されます。また民間保険の先進医療特約に入っている方の場合、手術費用を補うことができる場合がありますので、興味がある方は保険会社に確認してみてください。

 

手術後のタッチアップなど追加矯正について

乱視矯正白内障手術では、術後、光の屈折に若干の誤差が生じたり、思うような効果を実感できなかったりすることもあります。裸眼視力を含めたQOL (= Quality of Life)の観点からも、乱視矯正白内障手術の後に追加の手術で微調整を行うことがあります。

方法としては

・眼鏡またはコンタクトレンズ

・眼内レンズの交換

・2枚目の眼内レンズ挿入(ピギーバックレンズとよばれます)

レーシックによるタッチアップ

があり、なかでもレーシックによるタッチアップでは、より精度の高い微調整が可能です。角膜の状態が安定していることを確認するため、術後3か月以上間隔をあける必要があります。

 

眼内レンズの安全性について

眼内レンズを使った手術は非常にすぐれたものといえますが、外科的な手術であるからには、限界や合併症といったリスクは避けられません。

術後、まぶしさを感じたり色が違って見えたりすることがあるほか、ドライアイが悪化したり、後発白内障、眼瞼下垂、眼内レンズの脱臼などが起こる場合があります。またごく稀に起こる重篤な合併症として術後眼内炎、術中の駆逐性出血といった失明に繋がるものもあります。不安な点があれば医師にたずねてください。

また、過去にレーシック手術を受けている場合には、そのことを医師に必ず伝えましょう。レーシック手術を受ける前の眼のデータがあればなお良いです。

 

【参照】

監修:下村嘉一、編著:國吉一樹、2018年『眼科インフォームド・コンセント』、金房堂

著者:所敬、2014年『屈折異常とその矯正』、金原出版

全日本病院出版会、2015年『OCLISTA No.29

厚生労働省

日本眼科学会

日本白内障屈折矯正手術会

メディカル葵出版、2017年『あたらしい眼科
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