近視とは?要因と程度からみる近視の種類
近くはよく見えるけれど、遠くが見えにくい、というのが近視の症状です。
近視は、小学校高学年以降から増えはじめ、中学生、高校生と成長するにつれて多くなり進行していきます。このような傾向は近視のメカニズムそのものに理由があるため、ある意味では自然なことでもありますが、近視にも種類があり、その後の進行具合や程度は近視の種類によって異なります。治療の仕方も異なってくるので、ここでは近視の種類や程度などについて説明します。
近視のメカニズム
まず、近視はなぜおきるのかについてです。
近視は、目に入ってきた光を網膜上に集められない「屈折異常」のひとつです。近視の目は、眼球が少し大きいなどの理由で角膜から網膜までの距離(眼軸長と言います)と目の屈折力とのバランスが悪く、ピントが網膜より前方に合っている状態です。
学童期から近視が進んでいくのは、体の成長に合わせて眼球も大きくなり、眼軸長も伸びていくためです。そのため、身長が伸び続ける間は近視も進行し続ける可能性がありますが、成長が止まれば近視も安定してくることが多く、一般には24〜25歳くらいでほぼ止まると言われています。
しかし、そうではない近視もありますので、次に紹介していきます。
近視の分類について
近視にはいくつかの種類があります。遺伝を含めた発生要因による分類、発症年齢による分類、近視の程度や視機能に及ぼす障害での分類などです。
要因による近視の分類
まず、遺伝的なものも含めて近視を要因の面から分類した場合、以下のような種類の近視があります。
先天近視と後天近視
先天近視とは、主に遺伝が原因による、生まれつき近視になりやすいというものです。近年、研究により近視の遺伝子が検出されています。しかし、近視はひとつの遺伝子が原因ではなく、いくつかの遺伝子が組み合わさって発症する「多因子遺伝」という性質のもので、遺伝するのはあくまで「近視になりやすい傾向」であると考えられています。一方、近くばかりを見る習慣などの環境が原因である近視を「後天近視」といいます。
ただ、先天的に近視になりやすい要素を持った人であっても、その後どのような環境に置かれたかで近視の程度は変わってきます。そのため完全にどちらかだけが原因ということは明確にはできず、「主として先天的」、「主として後天的」といった分類になります。
軸性近視と屈折性近視
近視は眼軸長と屈折力のバランスが悪い状態である、と先ほど説明しましたが、どちらが原因でバランスが崩れているのかというところから見て、眼軸長が長すぎることが原因になっている近視を「軸性近視」、角膜や水晶体の屈折力が強すぎることが原因であるものを「屈折性近視」と分類することもあります。
単純近視と病的近視
近視を視機能の面から分類したときには、「単純近視」、「病的近視(変性近視)」という2種類があります。単純近視とは、メガネなどを使用して正常な視力まで矯正ができるものをいいます。学童期に発生する「学校近視」とよばれるものの大部分は単純近視で、学習などで近くを見る機会が増えることで近視になったり近視が進行したりします。この場合も主にメガネで矯正します。
一方、病的近視とは視機能に障害をきたし、メガネなどで矯正しても正常な視力が出ない状態です。また、眼軸長が平均値よりも並外れて大きい目も病的近視とされます。年齢と度数からみたときに、
・5歳以下:-4.00Dを超えるもの
・6〜8歳:-6.00Dを超えるもの
・9歳以上:-8.00Dを超えるもの
である場合を病的近視の目安とすることもあります。
屈折度の単位はジオプトリ―(通常Dと書く)が用いられ、これはレンズの焦点距離をメートルで表したものの逆数です。また、近視はマイナスで表します。
程度による近視の分類
最後に、近視の程度すなわち度数による近視の分類を紹介します。以下の庄司の分類とよばれる5段階での分類が多く使われています。
【庄司の分類】
・弱度近視:-3.00D以下
・中程度近視:-3.00Dを超え-6.00D以下
・強度近視:-6.00Dを超え-10.00以下
・最強度近視:-10.00Dを超え-15.00D以下
・極度近視:-15.00Dを超えるもの
近視度数が-3.00D〜-5.00Dの目の裸眼視力は通常0.1程度に低下し、-8.00D〜-10.00Dの近視では裸眼視力は0.05以下にまで低下するとの研究結果があります。また、近視度数が-8.00Dを超えると、メガネやコンタクトレンズで矯正しても、視力は0.6以下しか得られない症例もあると報告されています。
また、強度近視以上の近視では成人以降に緑内障などを起こす危険が高まります。
近視の分類方法は様々
以上が近視のメカニズムとおもな近視の分類です。子供の時に最初に発見した近視も、種類によってはその後違う進行をたどり、選択できる治療法が絞られたり、矯正後の視力に限界が出てきたりします。定期的に検査を行い、近視の進行に注意しましょう。
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