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レーシック

低下した視力を矯正するレーシック手術とは?

近くの物が見づらくなった、遠くが見えにくくなった、視界がぼやけるなど、視力が低下すると「物の見え方」は変化します。視力低下はおもに、眼に入る光の屈折が強すぎたり弱すぎたりして、網膜上に焦点が合わないことが原因です。これを矯正するための方法の1つがレーシック手術です。

レーシック手術はメガネやコンタクトが不要になって快適に過ごせる、日帰りで手術ができる、などの特長がありますが、大事な目の手術ですので、その仕組みや特徴を正しく理解したうえで検討することが重要です。

 

目次

レーシックについて

レーシックとは
物が見える仕組みとレーシック手術
海外における屈折矯正手術(レーシックに至るまで)の歴史
屈折矯正手術に対する日本人医師の試み
日本でのレーシックの始まり
レーシックとスポーツ選手・著名人

レーシック手術の概要

レーシック手術で矯正できるもの
レーシック手術についてもっと詳しく
角膜の構造
フラップ作製箇所
エキシマレーザー照射箇所
フラップ作製方法
角膜矯正の度合い
レーシックのメリットとデメリット

レーシック手術の流れや合併症について

レーシック手術の予約から施術後までの流れ
適応検査の重要性
適応検査項目
手術に関する注意事項
手術後の処置
レーシック手術と期間について
合併症
レーシック後のドライアイについて
レーシック手術で失明はする?
過矯正などによるレーシックの再手術について

レーシック手術における年齢制限や条件について

レーシック手術における年齢制限や条件について
レーシック手術と白内障・緑内障について
レーシック手術と強度近視について
レーシックによる乱視矯正
レーシックの安全性と危険性やリスク

レーシック手術と費用・病院について

レーシック手術の費用について
レーシック手術では医療費控除を受けましょう
レーシック手術は安心安全な医療機関で
レーシックを受ける前に

 

レーシックとは

レーシックとは、目の表面の形を変化させる手術です。

視力低下の多くは、目の表面にある、厚さ約0.5mmの角膜の屈折が強すぎたり弱すぎることが原因です。レーシックはエキシマレーザーというレーザーを当てて角膜の屈折を矯正することで、視力を回復させます。

「レーシック」という術名は「LASIK」と表記します。正式名称は「LAser in SItu Keratomileusis」で、「レーザーを用いた角膜実質内でのケラトミレイシス」という意味になります。ケラトミレイシスとは角膜表面を切り取り、その切り取った部位の裏側を旋盤で削り、その後元に戻す(縫合する)という手術で、正しく行われれば矯正効果はありましたが精度に問題があり、普及しませんでした。そこにエキシマレーザーが登場し、角膜を精密に加工できるようになり「LASIK」となり、矯正精度と安全性の高さから世界中に普及していきました。

エイエムオー・ジャパン株式会社調べ(2016年度)の国別の年間手術件数によると、日本では年間約3万5千症例とされています。世界をみると、中国で年間約90万症例、アメリカで約60万症例、インドで約20万症例、ドイツで約14万症例と、アジア・ヨーロッパを問わず広く普及しています。

 

物が見える仕組みとレーシック手術

 

物が見える仕組み

物体の形や色、距離、動きなどの情報を、わたしたちは目に入ってきた光によって認識しています。

目に入ってきた光は角膜と水晶体(共に凸レンズ)を通り、焦点を結びます。その光が網膜上に1点に結び、情報が視神経から脳に送られることで、わたしたちは物をはっきり見ることができます。

屈折異常とは

物がはっきり見える状態とは、目に入った光が網膜上に1点に焦点を結んでいる状態ですが、それとは異なる状態を屈折異常といいます。

レーシックによる屈折矯正

屈折異常に対し、目の表面にある角膜のカーブを変え、網膜上に焦点を結ぶようにすることで視力を矯正する。これがレーシックの原理です。

角膜は目の中で光を屈折させる力のおよそ3分の2を担っており、角膜のカーブを変えることで焦点を結ぶ位置を変えるというのは非常に合理的です。

 

海外における屈折矯正手術(レーシックに至るまで)の歴史

レーシック 歴史

レーシック等の屈折矯正手術の起源は古く、なんと西暦1800年代にまでさかのぼります。この頃から「メガネなどの道具を使わずに視力を回復させる」という研究が世界中で始まっていたのです。

1869年にドイツの学者により発案されたのが、白内障手術後に生じた乱視に対して、角膜に切開を入れ、切開部のカーブを緩やかにすることで矯正する方法でした。

1885年、ノルウェーで実際に角膜に切開を入れる手術が行われました。白内障の手術後に生じた乱視を、角膜を内側から切開し、矯正しました。これが、角膜への屈折矯正手術では世界初といわれています。

1972年、旧ソ連で角膜の表面を切開する、RKという新しい手術方法が開発されました。特に旧ソ連の軍人に対して多くの手術が行われましたが、当時はまだ手術の精度が決して良いものではなく、広くは普及しませんでした。

1975年になって、屈折矯正手術の歴史は大きく動き始めます。

アメリカのIBM社により、現在のレーシック手術でも用いられている「エキシマレーザー」という「眼球の表面に大きな熱変動を起こすことなくミクロン単位の正確さで角膜の組織を蒸散させることができる」レーザーが開発され、ここから屈折矯正手術は飛躍的に進歩することになります。

1983年になると、アメリカでエキシマレーザーを上皮層、ボーマン膜、実質層に照射し(上皮層はブラシ等で剥離させる場合もある)、カーブを変化させるPRKという手法が確立され、これまでのRKよりも精度の高い手術として主流になっていきます。

しかし、PRKにはレーザーを照射した部分のボーマン膜が無くなること、術後の痛みが非常に強く、視力が安定するのに長い時間がかかること等のデメリットがあり、特に会社で仕事を持つ人には大きな支障となり、手術を希望する人は多くはありませんでした。

1990年、ギリシャのパリカリス博士の考案で、レーシックという手術がついに開発されました。「マイクロケラトーム」という小さなカンナのような器械を使い、角膜実質層に薄い膜(フラップという。フラップは切り取らず、一部分が角膜と繋がっている)を作り、角膜の実質層にエキシマレーザーを照射し、角膜のカーブを変え、その後、フラップを元の位置に戻します。PRKに比べ、ボーマン膜の消失もなく、痛みも少なく、視力の回復も早いため、屈折矯正手術の主流となりました。ただフラップを作成するマイクロケラトームの取り扱いに熟練を要し、経験不足の医師が扱うと、位置がズレたり、薄すぎたり厚すぎたりするフラップが作成されたり、時にはフラップが取れしまったりといったトラブルが生じるケースがありました。そこでフラップもレーザーで作成するようになったのが現在のレーシックです。フラップ作成にはフェムトセカンドレーザーという角膜組織を剥離することができるレーザーを用います。このレーザーの登場で、希望する位置に、希望する厚さ・大きさのフラップが正確に作成できるようになり、更に安全性が向上し、現在に至ります。

このように長い歴史を経て屈折矯正手術として確立されたレーシックは、1995年にアメリカで認可され、急速に広まり、日本でも2006年に認可されたことで、徐々に広がっていきました。

 

屈折矯正手術に対する日本人医師の試み

日本で最初に屈折矯正手術が行われたのは1939年、順天堂医科大学の佐藤勉教授が、近視に対しては世界初となる屈折矯正手術を試み、世界の注目を集めました。

佐藤教授が試みたのは、メスを使って角膜の表裏両面を中心から放射状に切開して角膜の中央部分を平坦にし、近視を矯正させるものでした。ところがこの手術方法には問題がありました。角膜後面の内皮細胞は再生されないため、傷つけてはいけなかったのです。しかし当時はまだそのことが知られておらず、結果、水抱性角膜症という時間の経過とともに角膜が濁ってしまう合併症が発生してしまいました。

その後この手術の盲点を解明し、角膜内皮細胞を傷つけないように表面のみ切開することで、安全に近視を矯正する手術法が旧ソ連で考案されました。これが先ほどもご紹介した「RK」といわれる手術法です。

 

日本でのレーシックの始まり

日本においてエキシマレーザー使用の認可が厚生省から下りたのは、1998年です。このときはあくまで医療機器としての認可であり、角膜の形を変化させる屈折矯正手術への適用は認められていませんでした。

2000年になってようやく屈折矯正手術への適応が認められましたが、最初はPRKのみでした。

レーシックが承認されたのは2006年のことです。

 

レーシックとスポーツ選手・著名人

レーシックを広めるきっかけを作ったのは、裸眼で試合に出ることを望むプロスポーツ選手や、著名人達と言っても過言ではないでしょう。

スポーツ界では、サッカーの本田圭祐選手、元体操選手の池谷幸雄さん、元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんなど多くの選手が、著名人では堀江貴文さん、女優の前田敦子さんもレーシック手術を受けたことをブログで明かしています。

 

レーシック手術で矯正できるもの

近視矯正

近視とは、目に入ってきた光が網膜よりも手前で焦点を結んでいる状態のことを言います。
レーシック手術では、角膜のカーブを緩やか(凹状に)にすることで焦点を後ろに移動し、網膜に結ぶよう矯正を行います。

強度近視の適応について

強度近視とは−6D(ジオプトリー)以上の近視です。

日本眼科学会が定める屈折矯正手術のガイドラインでは、レーシックの近視の矯正量の限度を原則として、−6Dまでと定めています。ただし、ある一定の条件を満たせば、−10Dまで実施できるとされています。

近視の程度は、「 D 」(ジオプトリ―)という屈折の強さを表す単位を用いてマイナス表記され、数値が大きいほど近視が強くなります。度数が小さいほど矯正誤差が少なく、手術後の視力が1.0 以上になる確率が高くなりますが、逆に度数が大きくなるほど矯正誤差も大きくなるため、矯正度数の設定が難しくなります。近視の度数によって大まかに以下のように分類されます。

軽度近視  −3D未満 遠方が見えづらい状態。人によっては日常生活に支障はなく、裸眼で過ごせる人もいます。
中等度近視 −3D以上−6D未満 遠方を見る際にメガネやコンタクトレンズが必要となります。
強度近視  −6D以上−10D未満 遠方と中間距離が見えづらいだけでなく、網膜剥離などの眼疾患を患う可能性が比較的高くなります。
最強度近視 −10D以上 遠方と中間距離に加え度数によっては近方も見えづらいだけでなく、網膜剝離などの疾患を患う可能性が高くなります。

 

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レーシックで改善できる強度近視について

遠視矯正

遠視とは、目に入ってきた光が網膜の後ろで焦点を結んでいる状態のことを言います。

レーシック手術では、角膜のカーブを急に(凸状に)することで、焦点を前に移動し、網膜に焦点が結ぶよう矯正を行います。

乱視矯正

乱視は、角膜や水晶体に歪みがあるために焦点が1点で結ばず、物がブレて見えたり、ぼやけて見える状態を言います。

エキシマレーザーによる近視・遠視の矯正は、レーザーを円形に照射し、照射面のすべての方向で角膜のカーブを均等に変える(急なカーブを平坦に、もしくは平坦なカーブを急にする)ことで、網膜上に焦点が結ぶようにし、視力を回復させます。

一方で乱視矯正の場合は、正乱視を例にとると、2点ある焦点を1点にまとめるために、ある一方向のみを楕円形に削ります。(ラグビーボールのような形状のうち、急なカーブを平坦に、もしくは平坦なカーブを急にする)

詳しくは、「レーシックによる乱視矯正」で解説します。

老眼矯正

老眼(老視)」もまた、物が見えにくくなる症状のひとつです。

老眼は、本や新聞など手元の物が見えづらくなる現象です。ただ、これまでに紹介してきた近視や遠視、乱視といった屈折異常と老眼は、根本的に違います。

屈折異常が角膜などの「屈折力」を原因とする症状であるのに対して、老眼はピントを合わせる「調節力」が衰えることで生じる「調節異常」のひとつです。

私達の目が遠くから近くまでいろいろな距離の物を見ることができるのは、見る距離に応じて自然とピント調節をしているからですが、そのなかでも近くにピントを合わせる能力を「調節力」といいます。

正視(屈折異常がない目)の人が近くの物を見るとき、水晶体を厚くして見ていますが、水晶体は年齢とともに硬くなるうえ、その厚みを変えるための筋肉(毛様体筋)も弱くなるため、近くの物にピントが合わせづらくなるのが「老眼」です。

この場合、調節力そのものを回復させることはできませんので、一般的には遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズを使用しますが、遠近両用の矯正を行うレーシックを行うことがあります。片眼(主に効き目)を遠くが見えるように(正視に)矯正し、もう片眼を近くが見えるように(近視を残して)矯正するモノビジョンという方法があります。

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レーシック手術についてもっと詳しく

レーシックとは、角膜屈折矯正手術の一種です。
目の表面の角膜エキシマレーザーと呼ばれるレーザーを照射して、角膜のカーブの形状を調整することで、屈折の角度を変え網膜上で焦点が合うように矯正する手術です。

屈折矯正手術光が網膜の手前で焦点を結んでしまっている。

屈折矯正手術

屈折矯正手術レーザーを照射して、角膜のカーブの形状を変化させる。

屈折矯正手術

屈折矯正手術屈折の角度が変わり、光が網膜の一点上で焦点を結ぶ。

※クリックすると画像が拡大します。

角膜の構造

角膜は直径11~12mm、厚さ約500~560μm(日本人の平均)の透明の組織で、表面から順に、角膜上皮層、ボーマン膜、角膜実質層、デスメ膜、角膜内皮層の5層構造をしています。

角膜上皮層
角膜の一番表面にあり、皮膚と同様、外界からのバリア機能を果たしています。再生能力の高い細胞によって構成されており、約1週間で新しい細胞と入れ替わります。
ボーマン膜
角膜上皮層のすぐ下に位置し、コラーゲン繊維でできた非常に薄い膜です。厚さは10μmほどで、再生能力はありません。
角膜実質層
角膜の約90%を占め、主にコラーゲンやタンパク質で構成されています。再生能力はなく、実質層の透明性が損なわれると、視力低下をきたす場合があります。
デスメ膜
デスメ膜は薄くて強靭な膜です。実質層とともに角膜の形を維持します。基本的には再生能力があり、傷がついても修復します。
角膜内皮層
角膜を透明に維持するため、実質層に水分や酸素、栄養分等を供給するポンプの役目をしています。内皮細胞は再生能力がなく、一部の細胞が障害を受けると、隣接する細胞が膨張してカバーするため、一つひとつの細胞自体が大きくなり細胞数は減少していきます。

フラップ作製箇所

角膜実質層エキシマレーザーを照射するため、皮膚などのように日々再生される角膜上皮層、再生されないボーマン膜、角膜実質層の一部をフラップ(ふた)としてめくります。角膜上皮層のなかに痛みを感じる知覚がありますが、上皮層を避けて実質層にレーザー照射をするので手術の痛みを感じることはありません。

エキシマレーザー照射箇所

角膜の大半を占める角膜実質層は、新しい細胞に再生しづらい組織です。レーシックでは角膜実質層に薄いフラップ(ふた)を作製し、これをめくってエキシマレーザーを照射することで角膜の屈折力を調整します。

フラップ作製方法

角膜の表層を薄く切断してフラップ(ふた)を作製する方法には、刃物で一方向(水平)にカットする方法(マイクロケラトーム)と、レーザーで二方向(水平+垂直)にカットする方法(フェムトセカンドレーザー)の2種類があります。

一方向(水平)カットによるフラップ作製(マイクロケラトーム)の場合

短時間でフラップ(ふた)の作製が可能です。

水平に一方向のみで角膜を切るので、均一な厚さの薄いフラップを作ることは難しく、切断面は辺縁が厚く、中心部はやや薄いフラップとなります。また、エッジ(フラップの端)の部分はなだらかな曲線になるため、術後にフラップがずれてしまう可能性があります。


二方向(水平+垂直)カットによるフラップ作製(フェムトセカンドレーザー)の場合

コンピュータ制御によって、フラップを均一な厚さで精密に作製することが可能で、ムラのない滑らかな切除面を形成します。

二方向のカットができる為、エッジ(フラップの端)の部分はほぼ垂直に作ることが可能です。フラップのエッジが垂直に近いとマンホールの蓋(ふた)のようにピタリとはまるため固定力が高く、術後にフラップがずれる可能性も低くなります。

また、患者さまの目の状態に合わせて、フラップの大きさ・厚さ、エッジの角度等の設定が可能なので、より治療内容に合わせたフラップ作成が可能となります。


フラップの厚さ
使用する医療機器にもよりますが、一般的なフラップ作製の厚さは以下のとおりです。

フラップを薄く作製することが可能であれば、その分だけ矯正できる度数の幅が広がります。

マイクロケラトームの場合 : 約100~160μm(マイクロメートル)


辺縁が厚く、中心部はやや薄いフラップ

フェムトセカンドレーザーの場合 : 約100μm(マイクロメートル)


均一な厚さのフラップ

角膜矯正の度合い

角膜を削る量
角膜を削る量はその方の目の状態(近視・乱視などの度合い)によって変わってきます。度数の強い方は削る量が多く、度数が弱い方は削る量が少なくなります。

近視の場合

角膜のカーブをよりゆるやかなカーブに削り、屈折力を弱くする。

角膜の厚さ
レーシックでは、角膜を削ることで近視や乱視などを矯正します。角膜は削って薄くなりすぎると、角膜の強度が弱くなり角膜が突出してしまうことがあります(ケラトエクタジア)。これを避けるためには、施術後にも一定以上の角膜の厚さが必要になります。

術前の検査では、角膜の厚さの計測や角膜の形状を解析し、手術の可否および矯正量の限界を判断します。角膜が薄い人や矯正量が多い人はレーシック手術を受けられない可能性があります。

 

レーシックのメリットとデメリット

短時間の手術でメガネやコンタクトレンズから解放されることが、レーシックの大きな特長ですが、多くのメリットの他にデメリットも存在します。

レーシック手術を受けるメリット

最大のメリットは、やはり裸眼で快適な生活を送れるということです。その人の趣味やライフスタイルに合わせた視力の矯正をすることも可能で、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の観点では有効といえます。

アレルギー性結膜炎などでコンタクトレンズが使用できない、左右の視力が違いすぎてメガネによる矯正ができないといった方にも、レーシックは有効な手段です。さらには地震などの災害時に、メガネやコンタクトレンズが要らないということも大きなメリットになります。

一定の裸眼視力を必要とする職業に従事される方が、レーシック手術を受けるケースもあるでしょう。

レーシック手術を受けるデメリット

メリットの大きいレーシック手術ですが、もちろんデメリットもあります。

副作用やリスクについてはのちに触れますが、まずは他の外科手術と同様、一度削った角膜は元には戻せないということは理解する必要があります。再手術をするにしても100%可能というわけではありませんし、再手術で矯正できる量には限度もあるうえ、最初の施術よりも検査や施述に時間がかかり、手術の難度も上がります。

レーシックを受けることで角膜が薄くなり、眼圧の正確な測定が困難になることもあります。その結果、緑内障になっているのにも関わらず、検査で緑内障が見逃されてしまう可能性があります。

40代以降の人の場合、レーシックと老眼の関係を知ることも重要です。レーシックを受けて視力を矯正しても、老眼が進むことで近くの物が見えにくくなることがあります。近視を矯正することにより、それまで老眼に気がついていなかった人が、手術後に老眼を感じやすくなることもあります。

こうした可能性も踏まえて、レーシックを検討することが必要です。

 

レーシック手術の予約から施術後までの流れ

説明会(無料の説明会を実施している医療施設もあります)
  • 説明会では、レーシックの基礎知識はもちろん、医療機関の医療サービスに対する姿勢や、医師の考え方などを知ることができます。
1. 相談・検査予約
  • 電話やインターネットで、相談および適応検査の予約をします。
  • 適応検査前はコンタクトレンズの使用を中止し、眼鏡に切り替えて頂きます。
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2. 適応検査(手術数日前~数週間前)
詳細なデータの取得
  • 手術を行う前に適応検査を行います。
    これは、レーシックの手術の適応の可否を判断するための検査です。

※検査前・手術前の注意事項をご確認ください。

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3. 術前検査(手術当日)
  • 手術前の検査を行い、手術内容の確認をします。

※検査前・手術前の注意事項をご確認ください。

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4. 手術
  • 点眼麻酔を行い、手術を実施します。
  • 手術時間は両眼で15分前後になります。
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5. 安静(手術当日)
  • 術後、目を閉じてフラップ(ふた)が安定するまで、しばらく安静に過ごします。
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6. 診察(手術当日)
  • 医師の診察を受けて、問題がないことを確認します。
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7. 帰宅(手術当日)
  • 視界がぼやけたりしますので、細心の注意を払って帰ります。
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8. 定期検査(手術翌日、および定期的 ※医師の判断による)
  • 定期的に経過観察をします。

適応検査の重要性

まず初めに、レーシックに対する適応検査を行います。レーシックは他の外科手術と同様、全ての患者さんが受けられる手術ではないため、この検査は非常に重要です。
目や体の状態がレーシック手術に適応しているかどうか、目に他の病気がないかどうか、また年齢などが考慮されるほか、快適な見え方で生活を送れるよう、日常のライフスタイルについてもチェックし、適切な視力の設定を行います。

実施が禁忌とされるもの
  • 活動性の外眼部炎症
  • 円錐角膜
  • 白内障(核性近視)
  • ぶどう膜炎や強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症
  • 重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など、創傷治癒に影響を与える可能性の高い全身性あるいは免疫不全疾患
  • 妊娠中または授乳中の女性
  • 自己免疫疾患、膠原病
  • イソトレチノイン、塩酸アミオダロン服用者
実施に慎重を要するもの
  • 向精神薬(ブチロフェノン系向精神薬など)の服用者
  • 緑内障
  • 全身性の結合組織疾患
  • ドライアイ
  • 角膜ヘルペスの既往
  • 屈折矯正手術の既往

※屈折矯正手術のガイドラインより
上記項目に該当しない方でも受けられないことがあります。まずは眼科医にご相談ください。

適応検査項目

術前検査は、レーシック適応の診断やエキシマレーザーによる矯正量を決定しますので、正確な検査結果を得ることが重要です。

検査項目
(1)問診
正確な検査・診断をするうえで必要な質問をします。
(2)視力検査
裸眼視力と矯正視力を測定し、近視や乱視などの度数を測定します。
(3)屈折値検査
角膜・水晶体の屈折力を計測します。
(4)角膜曲率半径計測
角膜のカーブを測定します。※角膜のカーブが平坦すぎたり、急すぎる人の場合は、マイクロケラトームのフラップ作製時にトラブルが起こりやすいため注意が必要です。
(5)細隙灯顕微鏡検査
角膜、結膜、水晶体など目の状態を調べます。
(6)角膜形状検査
角膜の形状・特徴を調べます。※角膜の形状によっては手術が受けられないこともあります。
(7)角膜厚測定
角膜の厚みを測定します。※角膜の厚さが薄い場合には、手術が受けられないこともあります。
(8)涙液検査
涙の量に異常がないか調べます。※ドライアイが重篤な人は、手術が受けられないこともあります。
(9)眼底検査
網膜や視神経の異常を調べます。※網膜や視神経に異常があった場合には手術が受けられないこともあります。
(10)眼圧検査
眼圧を測定し、緑内障などの眼病がないか調べます。※緑内障の人は手術が受けられないこともあります。
(11)瞳孔径測定
暗所で瞳孔の大きさを測定し、夜間の見え方への影響を調べます。
(12)角膜径測定
角膜の大きさを測定します。

手術に関する注意事項

検査前・手術前
コンタクトレンズ制限
コンタクトレンズを装用されている方は、角膜の形状が変化する場合があるため、検査前・手術前の一定期間は装用を中止して、角膜を自然の状態に戻す必要があります。

装用中止期間の目安

  • ソフトコンタクトレンズ:検査・手術日前の1~2週間
  • ハードコンタクトレンズ:検査・手術日前の2~3週間

アルコール制限
アルコールにより眼圧が上がることがありますので、多量の摂取はお控えください。

十分な睡眠をとり、目を休めましょう。

検査日・手術日
化粧制限

検査日 :
目元の化粧は控えましょう。
手術日 :
レーザー機器に影響を及ぼす可能性がありますので、化粧、香水、整髪剤の使用は控えましょう。

運転制限

検査日および手術日は、点眼等の影響により視界がぼやけたり、まぶしさを感じたりすることがありますので、乗り物を運転しての来院は避けましょう。

服装制限

パーカー、タートルネック、セーターなどの服装は着脱の際に、目を強くつむる、毛くずが目に入る等の負担がかかりますのでできるだけ控えましょう。

※コンタクトレンズ制限やその他の制限は医療機関によって多少異なる場合があります。詳細は眼科医とご相談ください。

手術後の処置

レーシック手術直後の眼の状態は?

レーシック手術後、麻酔が切れたころに、目がゴロゴロするなどの違和感やしみる感じといった痛みが出ることもありますが、しばらく目を休ませていればいずれ楽になります。もし違和感や痛みが時間と共に強くなるようでしたら、医師に相談してください。

また、術後にドライアイになる人も少なくはありませんが、ほとんどの場合、角膜の状態が安定してくれば自然と改善します。1週間~3ヵ月程度は点眼などの治療を受けましょう。涙の量が減ると、結膜炎などの感染症にもかかりやすくなるため、注意が必要です。

レーシックで治療した部分は、フラップ(ふた)を元に戻して治癒させることになりますが、角膜上皮層が治癒するまでの期間は、フラップが吸着によって張り付いているに過ぎません。手術直後は以下の注意事項を守りましょう。

角膜上皮が治癒するまでの注意事項

  • まぶたや目に強く触ったり、こすらないようにする
  • ほこりや砂が入らないようにする
  • 目に水を入れたり、こすったり、押さえたりしないようにする
  • アイラインなどのメイクを控える
  • 球技や格闘技などの激しいスポーツなどを行わない
  • 清潔に保つ

角膜上皮層が再生治癒するまでは、感染症や炎症の危険性が高いので、炎症や感染を抑える点眼薬などは指示どおりに行うことが大切です。

万一、フラップがズレてしまった場合は、見え方が急に変わったり、ゴロゴロするなどの違和感がありますので、すぐに診察を受けましょう。

手術当日は、入浴(肩下からのシャワー程度は可能)、洗髪、洗顔、化粧、飲酒は控えましょう。また、目に十分な休息を与えるために、早めの就寝をおすすめします。

保護メガネをつける期間はどのくらい?

レーシック手術後、フラップが安定するまでの1週間は、外出時に保護メガネを装着して目元を守ります。また、術後は炎症を起こしやすくなっているため、ゴミやホコリの侵入を防ぐのも目的です。

しっかりと目を覆う形をしたものであれば、花粉症対策用のものやサングラスでも構いません。掃除などホコリが出る作業をするときや、小さな子どもやペットがいる場合には、家の中でも保護メガネを着用しましょう。また、就寝時には無意識のうちに目をこすってしまうことがあるので、やはり保護メガネを使用します。装着したまま眠れるかどうかも考えて、違和感なくフィットする保護メガネを選ぶといいでしょう。

レーシック手術から1週間後、検査と診察で30分~1時間ほどの定期検診を受けます。その際に医師から、外出時に保護メガネを外してもいいと言われるでしょう。それまでは短時間のお出かけでも、しっかりと保護メガネを着用してください。1週間経った後でも、人によっては保護メガネの着用を勧められることがあります。

定期検査
どんな手術にも合併症のリスクは伴いますが、レーシックも例外ではありません。そのため術後の定期検査が大変重要となります。術後に何か問題が起きた場合も、早めに対処することでリスクを低減することができますので、必ず受診するようにしましょう。

定期検査の頻度 :
術後定期検査は、クリニックの規定や術後の経過によって違いがありますが、(手術)当日、翌日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、半年後、1年後というのが一般的です。
定期検査の内容 :
屈折度数や視力検査・合併症や副作用がないかをチェックします。

※仕事、乗り物の運転、化粧、スポーツ、飲酒、入浴等の開始時期は眼科医にご相談ください。

レーシック手術と期間について

レーシック後、視力の回復や安定はいつ?

術後の視力の安定には、約3ヵ月程度かかると言われています。

レーシック手術を受けた直後から、コンタクトレンズや眼鏡を装着せずに帰宅することが可能です。ただし、一時的に遠視の状態となり、近くが見えにくいこともあります。

レーシック手術の効果は、術後すぐから実感できることが多いですが、視界がぼやけたり物が二重に見えたりすることのない、完全に視力が回復した状態になるまでの期間は人それぞれです。

目標の視力まで回復して安定するまでの期間の目安は、治療前に軽度から中度の近視だった人なら1週間~1ヵ月ほど。強い近視だった人の場合では、3ヵ月~半年程度が目安です。

レーシック手術では、まれに十分に視力が回復しないことや、近視の戻りが起こることがあります。角膜に十分な厚みが残っており、1回目のレーシック手術から半年以上経っていれば、再手術を受けることも可能です。近視の戻りが起こるのは、術後1年以内ですが、数年経ってから起こることもあります。レーシック手術を受ける前には、保障制度などのアフターケアについても確認してきましょう。

フラップが安定する期間はどのくらい?

レーシックでは角膜の表層にフラップと呼ばれる薄いふたを作ります。このフラップは、縫合などをして角膜に固定するわけではありません。そのため、フラップが安定するまでに、通常1週間程度かかります。それまでに強く目やまぶたをこすると、フラップがずれてしまったり、しわになってしまったりすることがあるので注意が必要です。就寝中や外出時には、衝撃やホコリの侵入から目元を守るため、保護メガネを着用します。

手術当日から翌朝までは、入浴や洗髪はNGです。洗顔は濡れタオルで目の周りを避けて拭く程度にとどめましょう。いずれも翌日の夜からできるようになりますが、水や洗剤が目に入らないように注意が必要です。また、レーシック手術から1週間は、アイメイクができません。

目元をうっかりこすってしまった後に、視界がぼやけたり二重に見えたりといった症状が強くなった場合には、医師に相談してください。

3ヵ月ほど経つと、角膜の上皮細胞が再生し、フラップは強くくっつきます。ただし、事故やボクシングなどで目を強打するとずれてしまう可能性があります。

手術直後
視力は回復しますが、視界がぼやけている状態です。ほとんどが2~3時間で落ち着きます。
点眼麻酔が切れるとゴロゴロすることがあります。
術後1~7日
術後の違和感がなくなり、視力が徐々に安定してきます。
術後半年~1年
術後3ヶ月くらいまでは若干の視力の変動がありますが、半年から1年ほどで安定します。

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レーシック手術後のスポーツ・運動制限について

レーシック手術後の経過について

手術当日

首から下のシャワーであれば可能ですが、目に水や汗が入らないように気を付けましょう。なるべく汗をかかないように、短時間でシャワーを済ませるようにしてください。

翌日〜6日

翌日の検査・診察で問題がないと診断されれば、入浴や洗顔・洗髪、運転ができるようになります。

入浴や洗顔・洗髪の際は水や汗が目に入らないよう気を付けましょう。サウナは控えてください。夜間運転は、視力が安定してからにしてください。また、運動はウォーキングや軽い体操なら可能ですが、汗やホコリが目に入らないよう目をしっかり保護して行いましょう。

1週間〜

1週間後に行う定期検診で問題ないと診断されれば、入浴や洗顔・洗髪、運転の他に、サウナなども許可されることが多くなります。また、スポーツや運動は、目をしっかり保護した上でジョギングやヨガ、ゴルフ、ボウリングなど、軽めのものであれば可能です。

この時期に激しい運動にすると、フラップがずれてしまったり、目の炎症を引き起こすリスクが高まります。くれぐれもハードなスポーツをしないよう気を付けてください。

2週間〜

旅行に行けるようになり、ある程度は体を積極的に動かすスポーツや運動も始められるようになります。

ただし、野球やサッカーなどの球技はボールが目に当たるリスクがあります。その衝撃が原因でフラップがズレるなど、目にトラブルを生じさせる可能性があるため、まだ控えた方が良いでしょう。

1ヵ月〜

手術後1か月が過ぎると、始められるスポーツや運動の幅が広がります。ゴーグル着用の上で水泳や海水浴、サーフィン、スキューバーダイビング、またはスキーも始められるようになります。

ただし、回復状況には個人差がありますので、医師と相談の上で判断してください。一般的には手術後3ヵ月以上経過すると視力が安定しますので、球技や柔道、ラグビー、相撲などの目に直接衝撃を受ける可能性があるスポーツも可能とされています。つまり、これまでと同様に制限なく様々なスポーツや運動を楽しめるようになります。

レーシック後のスポーツについて

スポーツや運動を手術後直ぐに行うと、目に負担がかかってしまいます。

手術直後は視界がぼやけることがありますが、ほとんどの人は翌日から視界がはっきりして日常生活を送れるようになります。1週間から1ヵ月程度かけて、かすみが取れていく人もいます。フラップが元の状態に戻って安定するのも、およそ1~2週間かかるので、その間は目に負担をかけないように過ごすことが大事です。どうしても体を動かしたい場合は、ジョギングなどの“軽い運動”にしましょう。

フラップがズレたり剥がれたりした場合、視力の回復が見込めなくなったり、感染症などを引き起こす原因にもなります。上記でもご説明いたしましたように、スポーツや運動を始めるには段階があります。くれぐれも自己判断をせず、定期検診を受けて医師とよく相談の上、様子をみながらにしてください。

レーシック後の入浴・アイメイクについて

手術当日から翌朝までは、入浴や洗髪はNGです。洗顔は濡れタオルで目の周りを避けて拭く程度にとどめましょう。いずれも翌日の夜からできるようになりますが、水や洗剤が目に入らないように注意が必要です。また、レーシック手術から1週間は、アイメイクができません。

レーシック手術後のカラーコンタクトレンズの使用について

術後のカラーコンタクトレンズの使用については、フラップが安定する、術後1ヵ月位は利用を禁止されることがあります。また、レーシックの術前と術後では角膜の形状が変化しているため、コンタクトのサイズ・カーブが変わる場合もあります。
術後は担当の医師と相談しながら、慎重に使用しましょう。

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合併症

レーシックの合併症には主に次のようなものがあります。

ぼやけ(視力の変動)
手術直後は全体的にぼやけて、近くが見えにくくなることがありますが、徐々に改善します。ただし、年齢が高く、近視や乱視などが強かった場合は、視力が安定するまで3~6ヶ月を要することがあります。
ドライアイ
手術後2~3ヵ月は目が乾燥しやすい状態になりますが、ドライアイ治療の目薬を点眼することで緩和することができます。
※もともとドライアイの人は、手術前のドライアイは治りません。
結膜下出血(白目の出血)
フラップを作製する際に眼球を吸引固定するため、結膜の血管が傷ついて赤くなることがありますが(内出血の状態)、見え方には影響せず1~2週間で自然に消滅します。
異物感・しみる感じ・痛み
異物感やしみる感じがまれにありますが、ほとんどの場合、手術の翌日には消失します。
夜間視力の低下
暗い所で光源の周辺に光の輪がにじんだように見える現象(ハロー)や、光が広がってまぶしく見える現象(グレア)を感じるようになります。時間の経過とともに減少しますが、残る場合があり、ほとんどの方は慣れますが、最初の数ヶ月間は気になる場合があります。
近視の戻り
手術後しばらく正視の状態であっても、時間の経過と共に屈折が変化して近視化することがあります。手術前の近視度数が強いほど、可能性が高くなります。
近視の戻りがある場合は、再手術を行うことがあります。
感染
感染症を起こす可能性があります。細菌が目に入らないように注意し、炎症や感染を抑える点眼薬などを指示どおりに行うことが大切です。
フラップのズレ
目を術後早期に触ったり、強い衝撃をうけたりするとフラップがズレる場合があります。手術室で元に戻せますが、視力改善がおくれたり、糸で縫わなければいけないこともあります。手術直後は気を付けましょう。
不完全フラップ
フラップ(ふた)が手術計画よりも小さかったり、不完全な形に切れてしまった場合には、エキシマレーザーの照射に影響を与える可能性があるため手術を中止する場合があります。この場合1ヵ月~3ヵ月以上手術を延期します。
上皮迷入(エピセリウムイングロース)
角膜の表面の上皮細胞が、フラップ(ふた)の下に入り込んでしまい増殖する合併症です。視界に入る位置に発症した場合、フラップ下の洗浄が必要となることがあります。
上皮欠損
角膜の表面の上皮細胞が一部欠損してしまうことがあります。高齢の人や以前に角膜に傷を作ったことがある人に起こりやすい傾向があります。1週間ほどで治りますが、視力回復にやや時間がかかることがあります。
層間炎症
フラップの間に腫れがつよくでることがあります。点眼で多くの場合対処できますが手術室で処置が必要になることもあります。

術後、違和感が出た場合は、早めに眼科医の診察を受けましょう。

 

レーシック後のドライアイについて

レーシックでは手術の際に角膜の神経の一部が切断されるため、ドライアイが起きたり、悪化することがあります。角膜の神経が修復されるのに半年から1年ほどがかかり、通常は時間の経過とともに改善していきます。

ドライアイの症状は、通常1週間~3ヵ月程度で改善されます。それまでは保湿用の目薬を使用して、ドライアイ対策をしましょう。ドライアイの症状が強く、早期の改善を希望する場合には、点眼薬だけでなく、涙を目の表面にとどまりやすくする「涙点プラグ」を挿入する処置をすることもあります。

市販の目薬はドライアイを生じさせることがある防腐剤が含まれているものもあるため、目の状態が安定するまでは病院で指示された防腐剤フリーの目薬を使用するようにしましょう。

レーシック手術後のドライアイは、ほとんどが時間の経過とともに改善されるものですが、まれに1年ほど症状が長引いてしまう場合もあります。初期のうちから適切な治療を受けて、症状の軽減を目指しましょう。

 

レーシック手術で失明はする?

日本白内障屈折矯正手術学会では、レーシックで失明することはまずない、としています。

一方で、合併症の放置やその重度によっては、可能性はゼロではありません。

「レーシック手術集団感染事件」

過去に、レーシックに対して「危険」という印象を強く持たせた有名な事件があります。「銀座眼科」でレーシック後におよそ70名の患者が細菌性角膜炎などを発症し、2010年に医師が逮捕され、その後実刑判決を受けました。事件では公判を通じて、医師の知識と経験のなさや、驚くべきずさんな衛生管理が明らかにされました。患者が異変を訴えたあとの対応の悪さも際立ち、失明寸前まで感染症が悪化していたという被害者の話もあります。

もちろん、これは明確な悪意が認められた事件で、通常の衛生管理を行っていれば、まずありえない話ではありますが、角膜感染症の怖さを物語るものでもあります。

 

過矯正などによるレーシックの再手術について

低下した視力を回復させることが目的のレーシックですが、術後およそ2〜10%の割合で再手術が必要となっています。

レーシックで再手術が必要となる症状は?

レーシックはほとんどの方が1回の手術で完了しますが、以下の場合には再手術が必要になります。

・【過矯正】矯正が強すぎる状態、軽度であれば遠くが見えやすい。目が疲れる。

・【低矯正】矯正が弱すぎる状態。視力が目標まで上がらない。

・【近視戻り】術後再び近視に戻ってしまう。

 

再手術には、1度目の手術から6カ月以上の期間が必要だったり、術後のリスクが高まったりなど、注意しなければいけないポイントも存在するため、慎重に検討する必要があります。

以下でひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1.過矯正

再手術が必要になるケースのひとつとして、矯正しすぎてしまう、文字通り「過矯正」の結果が出てしまうという症状があります。

スポーツ選手などの場合は高めの視力を望む人もいますが、わたしたちが日常生活を送るにあたって2.0などの視力は本当に必要でしょうか?実はそうでもないというのが事実で、片目で0.6から1.0、両目で0.8から1.2ほどで日常生活には十分ではないでしょうか。コンタクトレンズや眼鏡を使用するにあたっても、2.0までの補正はしないケースがほとんどでしょう。その理由は視力を必要以上に上げてしまうと眼精疲労が起きる、また長期間過ごすと、目眩や吐き気に繋がってしまうからです。

こうした弊害を改善するには、手術で上げすぎてしまった矯正力を下げるための再手術が必要になります。

2.低矯正

これは、上で挙げた過矯正とは逆の現象で、視力が十分に得られないケースです。

手術を受けたにもかかわらず目標とした視力にまで回復させることができず、こちらもまた、不十分な視力で長時間目を使いすぎると目が疲れる、などの現象から、日常生活に支障をきたしてしまいます。さらには、逆に手術の前よりもむしろ視力が下がってしまうというケースもあり、もう一度視力を矯正するための再手術が必要になります。

3.近視戻り

術後ごくまれに、「近視戻り」という現象があります。

レーシックは角膜の一部、「実質」という部分をレーザーで削ることで視力の調整を行うものですが、削ってしまった角膜実質は、自然には回復しないことがわかっています。そのため、レーシックの効果は半永久的ともいえます。
しかし、ガラスやプラスチックとは違い、角膜は体の一部。生きている組織であることに変わりはありませんので、手術で削られた部分を戻そうとする働きが生じ、角膜に微妙な変化が起きることがあります。そのため、術後、近くを見るばかりの生活を送ってしまうと、生活環境に対応しようとし、まれにではありますが近視が進行する、という体験談もあります。10年以上経ってから再手術が必要になるといった例もあるため、術後の生活は注意が必要でしょう。

レーシック再手術は回数が増えるほどリスクが高まる?

再手術の時にだけ起きる、という異常はほとんどありませんがリスクは少なからず存在します。

レーシックの手術にあるいくつかの条件のなかでも、角膜の厚さについては注意が必要です。再手術となると角膜を追加で削らなければなりませんので、術後の残存角膜厚がさらに薄くなります。その結果、角膜が突出するケラトエクタジアという合併症を発症する可能性が増加します。

レーシック再手術にかかる費用は?

レーシックには保険が適用できません。そのため病院によって10万円〜30万円程度とさまざまな価格が設定されています。いずれにせよ高額の治療ですから、長期間の保証を設ける医院もあり、なかには永久保証というところもあります。保証の期間の範囲や保証対象に当てはまる場合は当然、無料での再手術が可能ですので、これも事前にクリニックに問い合わせましょう。

レーシック再手術を成功させるために

再手術後に良い結果を得るためには気をつけなければならない点があります。

術後少なくとも6ヵ月の期間をあけることです。レーシック後は視力が安定するまでに通常3~6ヵ月かかります。視力が安定する前に再手術を受けると、矯正誤差の原因となる場合がありますので、再手術は視力が安定してから受けましょう。

また、角膜の厚さが十分であるかなど、医師にしっかりと確認することです。セカンドオピニオンも積極的に利用すると良いでしょう。

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視力の設定について

広く普及しているレーシックですが、視力回復について考えなければならない大事なことがあります。それは、「どのくらい回復できるか」だけでなく「どのくらい回復させるか」です。

一般的に、医院などで「0.5」「1.2」などの数字で表される視力は、遠方の視力を測ったものです。もちろん、2.0のように数字が大きいほど遠くが見えるということになるのですが、遠方視力の「上げすぎ」もまたよくないケースがあります。

矯正し過ぎてしまう「過矯正」とは、一般的に遠くはよく見えますが、パソコンや本など近くを見ることが多い生活にはなじまず、逆に目が疲れてしまうという状態のことを言います。

まれに「メガネが合わなくて目が疲れる」という話がありますが、これは過矯正が原因であるケースもしばしばあります。メガネやコンタクトの過矯正が原因であれば、度を変えれば済むのですが、レーシックでは角膜を削ってしまうため、元に戻すことはできません。ゆえに生活に支障が出た場合、再手術が必要になってきます。再手術も、すべての人が可能というわけではないので、最初の段階で職業や趣味といったライフスタイルに合う視力を設定しなければなりません。ここは医師としっかりしたコミュニケーションをとっておくことが大切です。

 

レーシック手術における年齢制限や条件について

遠視や近視といった症状を改善して、裸眼生活を送れるようにしてくれるレーシック手術ですが、実はどんな人でも受けられるわけではありません。

実施が禁忌とされるもの(エキシマレーザー手術)

次の項目に一つでも当てはまる方は、手術を受けることはできません。

① 円錐角膜
② 活動性の外眼部炎症
③ 白内障(核性近視)
④ ぶどう膜炎や強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症
⑤ 重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など、創傷治癒に影響を与える可能性の高い全身性あるいは免疫不全疾患
⑥ 妊娠中または授乳中の女性
⑦ 円錐角膜疑い

 

実施に慎重を要するもの(エキシマレーザー手術)

上記の項目以外にも、慎重に手術を行わなければならないケースがあります。

① 緑内障
② 全身性の結合組織疾患
③ ドライアイ
④ 向精神薬(ブチロフェノン系向精神薬など)の服用者
⑤ 角膜ヘルペスの既往
⑥ 屈折矯正手術の既往 

レーシックを受けられるのは18歳以上の方

発育途中の方の視力は安定していません。財団法人 日本眼科学会の「屈折矯正手術のガイドライン」では、レーシックの対象年齢は18歳以上とされています。

その理由は成長過程で近視や乱視が進行するケースもあり、せっかくレーシック手術を受けても、後に視力が低下してしまうかもしれないからです。さらに成長期が終わってから再手術をしたくても、角膜の厚みが十分残っておらず、再手術が不適応となる可能性もあるのです。これらの術後のデメリットを考慮して、医療機関では成長期のレーシックを推奨していません。

40歳以上でレーシックを受ける際の注意点

老眼と白内障の関係から、レーシックを受ける上限は一般的に40歳位までと言われています。近視のため老眼に気づいていない方がレーシックを行ってしまうと、老眼の症状を自覚することがありますので、その点をしっかり理解し、手術を受けることが大切です。

また60歳以上になると“白内障”発症の可能性が高まります。白内障は水晶体が濁る病気で、視力低下や視界が眩しくなったりかすんだりします。白内障を治療するには、濁った水晶体を取り除いて、代わりに眼内レンズを挿入しなければなりません。眼内レンズは患者さんに適した度数の選択が重要なのですが、レーシックを受けた角膜は形状が変化しているため正確な計測が難しく、度数のズレが生じやすくなります。つまり、レーシックを受けた後に白内障手術を受けると思い通りの視力を得られない可能性があるのです。ただし術前レーシックを受ける前(術前検査)のデータがあればレンズ選択の精度を高められますので手術を受けられた方はデータを取得しておくとよいでしょう。

また白内障の治療をする際にレーシックの受けたか確認されない場合もあるので、レーシック経験者である場合はしっかり医師に伝えましょう。

レーシックを受ける前に適応検査をして眼に問題なしと診断されれば、40歳以上でもレーシックを受けることができます。それは、医療機関から推奨されている年齢制限の上限“65歳以上”の方々にも当てはまることなので、40歳以上もしくは65歳以上だからと諦めず、まずは適応検査をされることをオススメします。

 

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レーシック手術と白内障・緑内障について

レーシック手術と白内障の関係について

白内障とは、加齢によって目の水晶体が濁り、物が見えづらくなる病気です。

白内障の症状はゆっくりと進行していくため、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。加齢による白内障は、早ければ40歳代、多くは50歳代から発症し、60歳代で半数以上、70歳代では8割以上、80歳代ではほぼ全員が発症します。いずれにせよ、75歳以上では2人に1人が手術を必要とするともいわれています。また、まれに糖尿病やアトピー、外傷などによって発症する場合もあります。

白内障の手術は、ものが見づらくなっている原因である濁った水晶体を取り出して、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)に交換します。当然、人によって目の大きさや奥行き、カーブの大きさは違いますので、ひとりひとりの目にあったレンズを使用することになります。

一方でレーシックは角膜を削るため、角膜の形状が変化しています。そのため、レーシックの後に白内障の手術を行う場合は、変化した角膜の屈折度数を考慮した眼内レンズの選択が重要になります。これには高度な計算が必要で度数ズレが生じることも少なくありません。しかし、レーシックを受ける前の目のデータを持っていれば、精度を高めることが可能ですので、レーシックを受けられた方は術前検査のデータを取得しておくとよいでしょう。

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レーシックと白内障・緑内障との関係

レーシック手術と緑内障の関係について

緑内障とは、「眼圧の上昇」によって、眼球の奥にある視神経が圧迫され、視野に障害がおきる病気です。

発症についての詳しいメカニズムはわかっていないことも多くあるため、定期的に検診を受けることが重要です。

治療方法に関しては、眼圧を下げる目薬の使用が一般的ですが、効果が得られなかった場合には手術が必要となります。眼内は「房水」という液体で満たされており、「房水」は眼内を循環しているのですが、眼内に入ってくる量が、眼内から出ていく量より多い場合に眼圧が上昇しますので、レーザーを当てたり眼の組織の一部を切り開いたりして、この房水を眼球の外に出しやすくすることで眼圧を下げます。

緑内障は、レーシック手術は断られる場合が多い

緑内障手術は「眼圧を下げる」ことが目的です。レーシックではフラップ作成時に器具を用いて角膜を吸引固定し角膜を圧平するので眼圧が上昇し、結果、緑内障の症状を悪化させることがあるため手術を断られる場合があるのです。

しかし一定の条件が整えばレーシック手術を受けることができます。

その条件とは、

・緑内障の症状が安定している

・進行が止まっている

などの条件が揃っている場合です。とはいえ、術後に緑内障の症状が悪化してしまうリスクは少なからず存在します。事前の検査結果も含め医師としっかり相談しましょう。

また別の選択肢としてPRKがあります。この手術はフラップを作成しないため眼圧が上昇せず、緑内障の症状を悪化させることなく視力を回復させることができます。

 

レーシック手術と強度近視について

レーシックとジオプトリーの関係について

レーシック手術を受けられるジオプトリーの範囲は、「近視の矯正量は10D以内」「遠視・乱視の矯正量は6D以内」と定められています。ジオプトリーは度数のことを表しており、コンタクトレンズの箱に書かれている、「-1.5D」「+3.0D」などの数字のことです。
この数字は大きくなればなるほど近視や遠視の度数も大きくなり、レーシックで矯正する際にもより多くの角膜を削らなければならなくなるため、角膜を削る量が多すぎる場合や、角膜が極端に薄い場合などは手術が受けられない場合があります。

近視の度数によって大まかに以下のように分類されます。

軽度近視  −3D未満 遠方が見えづらい状態。人によっては日常生活に支障はなく、裸眼で過ごせる人もいます。
中等度近視 −3D以上−6D未満 遠方を見る際にメガネやコンタクトレンズが必要となります。
強度近視  −6D以上−10D未満 遠方と中間距離が見えづらいだけでなく、網膜剥離などの眼疾患を患う可能性が比較的高くなります。
最強度近視 −10D以上 遠方と中間距離に加え度数によっては近方も見えづらいだけでなく、網膜剝離などの疾患を患う可能性が高くなります。

レーシック手術を受けることが難しい場合でも、強度近視の人が受けられる視力回復の治療法は増えてきています。例えば、眼の中に眼内レンズを挿入して視力を矯正する有水晶体眼内レンズは、角膜を削る必要がなく、視力の回復や安定性が高いことから、レーシックに代わる視力回復手術として注目を集めています。強度近視や角膜が薄くレーシック手術が難しい人でも受けることができます。

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レーシックで改善できる強度近視について

レーシックで強度近視はどこまで治る?

レーシックでどれくらい視力が回復するかは個人差がありますが、強度近視の人でも1.0くらいまで回復する可能性はかなりあります。

日本白内障屈折矯正手術学会は、2013年にレーシックなど屈折矯正手術等に関する国内初の大規模調査を実施しました。
国内で屈折矯正手術を行っている75施設のうち45施設(60%)が回答。その結果、これらの施設で行われた2013年のレーシック手術件数は総計71089件で、屈折矯正手術全体の94.8%を占めていたことが分かりました。
裸眼視力1.0以上の症例が96%、矯正視力1.0以上の症例は99%で、手術に満足と回答した症例が85%でした。術中・術後合併症としては、症状の強いドライアイが1.2%、追加手術を実施したのが0.23%で、 感染症の発症は一例も認められなかったとのこと。2014年に開催した同学術総会で、「国内で行われたレーシックの安全性や有効性は高く、患者満足度も高い優れた術式の一つと考えられる」と報告しています。

レーシックで強度近視を治療する際の注意点

強度近視の場合、レーシック手術を受けても矯正のしすぎにより、近くを見る時にピント調節が過度に必要になり目に負担がかかる“過矯正”になり、頭痛などの体調不良を引き起こす場合もあります。強度近視の場合、軽度近視に比べ、より多くの角膜を削る必要があるため、矯正誤差が出やすく、さらに術後の合併症も出やすい傾向があるため注意が必要です。強度近視の方はどのくらいの視力設定を行うか、合併症がどのくらいの可能性で、どの程度起こりうるのかをご自分の検査結果とこれまでの統計データをもとに、よく医師に相談し理解して手術を受けることが重要です。

 

 

 

レーシックによる乱視矯正

乱視には、「正乱視」と「不正乱視」がある

正乱視」はメガネやコンタクトで矯正可能な一般的な乱視であり、角膜や水晶体がラグビーボールのように歪んでいることで生じます。「不正乱視」は病気や外傷などが原因で生じる乱視をいい、歪み方が人それぞれに異なるため、眼鏡やコンタクトではしっかり矯正することができない場合があります。

正乱視の場合、2つある焦点が1点に結ぶように、1方向のみカーブを変えます。

不正乱視の場合、各々の目の特徴に合わせたオーダーメイドの矯正ができるレーシック(ウェーブフロントレーシック)でなければ、治療が難しい場合があります。
また、乱視度数が「ー6.00D」を超える場合や、屈折度数が安定していない18歳未満の方、角膜の厚みが十分にない方、不正乱視の程度や症状によっては治療できない場合があります。

 

乱視のレーシック 気になる費用は?

レーシックの手術費用は、検診代等も含めて健康保険の適用とならず、自由診療となるため金額は様々です。現在では両眼で20万~35万円程の価格を設定している病院が多いようです。乱視のレーシック費用については、乱視のみの矯正であっても、近視や遠視と組み合わせて矯正をしても同じ金額であることがほとんどです。なかには両眼で10万円を下回る価格を設定している医療機関もありますが、施術の内容や保証期間などを十分吟味したうえで選ぶことが大切です。
なお、日本眼科学会では、レーシックの適正価格を両眼で20万~60万円としています。

老眼に対応したレーシックのなかで、片方の目(主に利き目)で遠くを、もう片方の目で近くを見るように矯正する「モノビジョンレーシック」という方法があります。この場合、乱視の矯正は原則、通常通り行い、近視・遠視の矯正度数を調整することで、左右の目で見える距離を変えます。
費用は両眼で30万~40万程度となります。

レーシック後に乱視が残ったら

レーシックで乱視の矯正を行っても、乱視が残ってしまうことがありますが、その程度が軽い場合(おおむね-1.00D以内)、視力にほとんど影響しないことが多く、見え方が悪くなければ再手術を検討する必要はありません。
しかし、視力に影響するくらい乱視が残ってしまった場合は再手術が必要になる場合があります。

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レーシックの安全性と危険性やリスク

レーシックはれっきとした外科手術ですので、その安全性と危険性を正しく理解したうえで手術を受ける必要があります。

レーシック手術の安全性

日本白内障屈折矯正手術学会は、レーシックの有効性や安全性について、アンケート調査の結果を発表しています。2013年に行われたレーシック手術に関する調査のうち、その対象となった国内45施設での7万1089件(眼)について、96%の方が裸眼視力1.0以上に回復したということです。

また、2015年1月~12月に行われたレーシック手術に関する調査のうち、その対象となった国内42施設での1万5011件(7622人)についての調査では、95%の方が術後1週間後の裸眼視力が1.0以上に回復しています。術後の平均裸眼視力は1.41、術後の感染症など重篤な合併症は1例も認められなかった、と公表しています。また海外でも、アメリカではNASAや空軍が志願者に対して、レーシックを認めています。

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レーシック手術の危険性

感染症などの報告のないレーシック手術ですが、危険性の指摘があるのも事実です。

2013年12月に消費者庁は、レーシック手術について、リスクの説明を十分に受けるようにとの注意喚起をしています。

消費者庁などが運用している事故情報データベースに、危害が発生したという情報が80件登録されており、術後に強い頭痛や目の痛み、吐き気を訴える例が紹介されています。同じ2013年の11月に消費者庁が行ったアンケート調査では、対象となった600人のうち302人が、術後の視力が希望どおりにならなかった、または不具合が発生したと答えています

詳細を見ると、「希望した視力に届かなかった」(78人)、「矯正され過ぎた」(30人)、「一旦は希望した視力になったが元の視力に戻ってしまった」(30人)、という回答のほか、「光がにじんだりギラギラしたりするようになった」(99人)「ドライアイが続いている(6ヶ月以上)」(83人)などです。

一方でこのアンケートでは、レーシックの術後に起こりうる症状について多くの項目で半数以上の人が説明を受けていなかったことも明らかになっています。

 

レーシック手術の費用について

レーシック手術にかかる費用ですが、医療機関によって10万円前後から30万円台、あるいはそれ以上とさまざまです。なかには両目で10万円以下という低価格で広告を出している病院もあります。

このように価格に大きな開きがあるのは、使う機器やアフターケアの内容が病院によって違うからです。例えば、視力の回復だけでなく、角膜に通常の乱視以外の微妙な歪み(収差)がある人に対し、より精密な矯正を行うとなると用いる機器も変わるため、高額になることもあります。無料で再手術を行うなど、補償内容にも違いがあり、価格に大きな差が生まれるのです。

注意しなければならないのは、安価なものにはそれなりの理由があるということです。使用機器や道具、衛生管理、アフターフォロー、スタッフの教育なども治療費に含まれているわけですから、その点もよく考慮して病院を選びましょう。

レーシック手術に健康保険は適用されない?

レーシック手術にかかわる保険には2種類あります。

1つ目は公的な健康保険、いわゆる保険証を窓口で提示する保険です。健康保険においては、レーシック手術は対象にはならないため自費での診療となります。また、レーシック前後の検査などを他の眼科で受ける場合にも、健康保険は適用されません。

医療保険は保険会社に確認を

2つ目は、民間企業が販売している医療保険です。こちらは入院や通院の日数などによって保険金が支払われる方式のものですが、レーシック手術が保険金支払いの対象となるかどうかについては、保険の内容によって異なります。加入している保険会社に問い合わせて確認をする必要があります。

 

レーシック手術では医療費控除を受けましょう

医療費控除とは、その年の1年間で10万円以上の医療費を支払った場合に、年末調整で税務署へ確定申告すると所得控除が受けられ、医療費の一部が戻ってくる制度のことを言います。

医療費控除の対象となる医療費は、“一般的に支出される水準を著しく超えない金額”と国税庁で定められています。そのため国税庁の判断として認められた医療費が、確定申告の対象となるのです。
国税庁のウェブサイトによると、レーシック手術は“医学的な方法で正常な状態に回復させ、医師の診療や治療として認められられるもの”なので、医療費控除の対象です。ですが、コンタクトレンズや眼鏡の購入費用は視力を回復させる治療ではないので、医療費控除の対象には入りません。

レーシックの医療費控除でいくら戻る?

注意したいのは、医療費控除は誰もが同じ額で戻ってくるわけではないということ。いくら戻るのかは医療費や所得税、住民税、保険等から補てんされる金額の額によります。
そして、実際に戻ってくる金額は医療費控除額に所得税の税率を掛けた額です。そのため、同じ医療費控除額でも納めている税金が少ない人は還付金も少なく、多い人は還付金が多くなります。また、医療費控除は生計を共にしている夫婦や親族の分もまとめて申告することができます。
医療費控除は医療機関に支払った医療費が1年間で10万円以上あれば申告が可能です。ただし、総所得金額が200万円以下の人は5%の所得税率になること、そして控除額はどんな場合でも200万までの上限額とルールが決まっています。

レーシック医療費控除の計算方法

レーシック医療費控除の計算式は下記のとおりになります。

(医療費控除額)=(支払った医療費)−10万円
※総所得金額が200万円以下の人は5%の所得税率

保険金(公的な医療費制度で降りたお金→例:高額医療費や出産育児一時金など)で補てんされる金額があれば、支払った医療費から引きます。
次に還付金の計算です。還付金は所得税率によって異なり、下記の表のように5%から45%の7段階に分かれます。所得金額が多いほど税率は上がりますので家族で所得の高い人が確定申告をする方が、還付金は高くなります。

所得税の速算表(平成27年分以降)
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

具体的に例をあげましょう。Aさん家族が1年間で支払った医療費とレーシックの医療費を合わせて50万円、保険等から補てんされた金額0円、父親の総所得を700万円とします。

(医療費控除額)=50万円−10万円

医療費控除額は40万円になります。700万円の所得税率は23%なので

(所得税の還付金額)=40万円×23%

所得税の還付金額は9.2万円です。
医療費控除額が分かればあわせて翌年度の住民税減税分も計算ができます。住民税の税率は、所得金額にかかわらず、一律10%と決まっています。

(住民税減税額)=40万円(医療費控除額)×10%

翌年度の住民税減税分は4万円減税です。Aさん家族は父親の確定申告で所得税の還付金は9.2万円、翌年度の住民税は4万円減税、還付金額は合計13.2万円になります。

レーシック医療費控除に必要な書類

医療費控除の確定申告の申請に必要な書類は、下記になります。

・確定申告書Aもしくは確定申告書B
・医療費の明細書
・源泉徴収票(会社員の場合のみ)
・領収書など医療費の支出を証明するもの
・医療費以外の領収書や支払い明細(通院交通費など)

確定申告書と医療費の明細書は税務署に行けば貰えますし、国税庁のウェブサイトからダウンロードが可能です。
医療費控除の申告の際は医療費のレシートや領収書の原本が必要です。コピーでは認められないので、失くさないようにしっかり取っておきましょう。領収書の原本を失くしてしまった場合は、医療機関へ領収書の再発行を依頼し、それが難しい場合は、有料で領収額証明書の発行を依頼することができます。

通院や入院でかかった電車やバスによる交通費や、移動が難しいときのタクシー代も医療費控除の対象になるので、交通費の領収書も忘れずに保管してください。

確定申告の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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レーシックの医療費控除 申請ポイント

 

 

レーシック手術は安心安全な医療機関で

実際にレーシックの手術を受ける際には、術後のトラブルに巻き込まれないように、しっかりと調べて安全な病院で受けるようにしましょう。
主なポイントは以下の5つ。

・【適応検査や診察、術後のカウンセリングをしっかりしてくれる】

・【眼科診療全般の知識をもつ執刀医及び担当医がいる】

・【手術の実績と症例数が多い】

・【院内の衛生管理が徹底している】

・【手術費用を明確に表記している】

広告や価格だけで選ぶのではなく、事前にしっかりと確認したうえで医療機関を選ぶことが大切です。

以下でひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1.適応検査や診察、術後のカウンセリングをしっかりしてくれる

目の状態は人によって異なります。個々の患者さんに適した治療をするためには、綿密な適応検査や診察、術後のカウンセリングが必要不可欠です。適応検査はほとんどの医療機関が無料で行っており、治療を始める前に受けるのは常識ですが、適応検査や診察が雑だったり、手術を受けるよう勧めてくるような病院は避けた方がいいでしょう。

術前の診察時には、患者さんが自身の治療内容をよく理解できるよう、十分な時間をとって説明してくれるかどうかがポイントです。また、患者さんの目の症状によってはレーシック以外の治療を選択した方が良い場合もあります。そのような時に、きちんと他の治療法も提案してくれるような病院は信頼性が高いです。最初から一つの病院に決めてしまわず、複数の病院で診察を受けてみることも検討してみてください。

もう一つ肝心な事が術後のカウンセリング、つまりアフターケアがしっかりしていることです。術後の経過には個人差があるため、中には不安を抱える患者さんも出てきます。そのような場合に、親身になってカウンセリングをしてくれる病院が理想的といえます。
適応検査に限らず診察や術後のカウンセリングにおいても、患者さん個々の症状をしっかり見極められる経験と知識を持った、各分野の専門医が担当していることが望ましいです。

2.眼科診療全般の知識をもつ執刀医及び担当医がいる

レーシックは目を扱う繊細な治療です。目の感染症対策や合併症の知識と経験が十分あり、有事の際に即対応できる医師が執刀及び担当医であることが望ましいでしょう。そのような眼科の専門医の診察であれば、診察時に的確な診断をしてくれます。治療を受ける際の安心感や、治療そのものの安全性がとても高くなると言ってよいでしょう。

眼科専門医について

執刀医が「眼科専門医」であるかどうかは、医療機関を選ぶうえで一つの判断材料になります。「眼科専門医」とは、5〜6年以上の臨床研究を修了して、学会の試験をクリアすることで専門医の認定を受けた医師のことをいいます。

3.手術の実績と症例数が多い

手術の実績や症例数が多いということは、医師の豊富な経験と技術の証明になります。

近年はレーザーの技術が進歩し、ほぼすべての症例で、高精度の治療が可能となっており、医師の経験や技術はさほど重要でないかのように言われることもあります。しかし、実際の手術は一から十まで全てを機械が行うわけではありません。医師の知識や技量で手術の結果に差は出るのです。病院によってはホームページに、手術の実績や症例数を載せているところもあるので、是非参考にしてみてください。

4.院内の衛生管理が徹底している

安全な病院か否かの見極めで、“院内の衛生管理”も重要です。

2009年に起きた銀座眼科の集団感染症事故は、衛生管理のずさんさから引き起こされました。この医療事故で被害を受けた67名の中には、失明寸前の重症患者さんもいました。このような医療事故に逢わないために、 注目すべきは以下の2点です。

・手術室の空気浄化設備が整っていること

空気中には多くの塵や埃、細菌やウイルスが漂っています。レーシックの手術中は、通常、空気に触れることのない角膜実質が剥き出しになるため、感染しやすくなっているといえますので、手術室の空気清浄度は確保されていなければなりません。

・手術器具や用具が清潔に保たれていること

手術器具や用具の洗浄や滅菌が徹底されていることが基本です。医療事故の起こった銀座眼科ではコスト削減のために、使い捨てにすべき執刀用手袋や刃物を使いまわしていたことが発覚しました。

5.手術費用を明確に表記している

レーシックにかかる費用は、医院ごとに開きがあります。なぜ開きが生まれるのかというと、レーシックは自由診療だからです。受ける治療内容や病院の設備内容などにより、大きな差が出るのです。治療を受ける前にかかる費用はしっかり確認しておきましょう。言うまでもなく、手術費用を明確に表記していない病院は選ばないことです。

レーシックに求められる長期的な安全性

レーシックに求められる長期的な安全性とは、末永く有害事象のない状態が続くこと。レーシック自体は極めて安全な治療ですが、それは病院が適切な診察や衛生管理、アフターフォローを行ってこそ実現します。
上記で安全な病院とはどのような病院を指すのかについて解説してきましたが、つまり安全な病院とは“医療的な責務(インフォームドコンセント、眼科医としての専門性、衛生管理など)が厳守された病院”のことを指すのではないでしょうか。
ご自身の大切な目を任せる病院選びは慎重に行いましょう。

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レーシックの安全性を高めるには“安心な病院”へ

 

レーシックを受ける前に

レーシック手術とはどのようなものか、現状ではどのようなメリットやデメリットがあるのか、ご紹介してきました。

1度手術を受けると、追加の矯正はできますが、元に戻すことは出来ません(不可逆性の手術)。のちの生活に大きく関わってくる手術ですので、医療機関を慎重に選び、納得いくまで説明を受けるようにしましょう。

また、「本当にいま、レーシックでの視力矯正が必要なのか?」ということを、自分の生活に照らして考えてみてください。
手術についてもしっかりと調べ、医師とコミュニケーションをとり、信頼関係を築いたうえでレーシックを検討してください。

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